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注文の多いハプニングバー
ふたりの若い男が、すっかり紳士ないでたちで、立派な鞄を片手にふらふらと歩きながら
まちはずれの、繁華街を少し抜けた路地でこんなことを話していました
「どうもおんなのこといいかんじなことがしたいなあ」
「そうだなあ まったくだなあ」
さっきからの雨で二人の糊の効いたワイシャツはぐっしょりと濡れてしまっていました
「きみはさいきんおんなのことといいかんじになっているのかい?」
背の高い方の男が聞きました
「じつにぼくはふたつきといいかんじになっていないよ」
背の低い方の男が言いました
「それはさびしいなあ」
「まったくだなあ」
雨がすっかりひどくなってふたりは顔を見合わせました
「ぼくはもう戻ろうとおもう。」
「さあ、ぼくもちょうど寒くはなったし腹は空すいてきたし戻ろうとおもう。」
ところがどうも困ったことは、どっちへ行けば戻れるのか、いっこうに見当がつかなくなっていました
風がどうと吹ふいてきて、看板はざわざわ、雨がごんごんとふってきました
「どうも腹が空いた。さっきから横っ腹が痛くてたまらないんだ。」
「ぼくもそうだ。もうあんまりあるきたくないな。」
「あるきたくないよ。ああ困ったなあ、何かたべたいなあ。」
「喰たべたいもんだなあ」
二人の紳士は、ざわざわ鳴る雨の中で、こんなことを云いました。
つかれきったふたりはとっさに一軒のビルディングにはいりました
そして階段を登っていくとげんかんには
CLUB ZEUS
と、書いてありました
看板も出ていません
ふたりの紳士はまた顔を見合わせました
「もしかしてこれはやばいやつじゃないか?」
「この展開は迂闊に中に入っていくとだんだんと体にバターや塩を塗られて食べられちゃうやつじゃないか?」
「いやバターを塗られて楽しいこともあるかもしれないよ」
「はいろうじゃないか。ぼくはもう何か喰べたくて倒れそうなんだ。」
いきおいあまって入った二人の前に男が立っていました
「いらっしゃいませ 当店は『注文の多いハプニングバー』です」
男はふたりを招き入れました
「・・・だいじょうぶかな?」
大丈夫です
お腹がすいてるなら食べさせてあげます
疲れてるならお休みください
楽しいところです
夢と希望のパラダイスです
たくさん、たくさんお話しましょう
あなたの全てをさらけ出してください
ただし
当店は『風俗店』ではございません
女の子やスタッフが性的なサービスなんていたしません
女の子に無理やり変なことしたり、連絡先を聞いたり、店外で会おうとしたりすると厳しいお仕置きが待っています
そして『いまお店に女の子いますか?』とか『盛り上がっていますか?』といった愚問には一切お答えいたしません
その質問をした瞬間にあなたの我々から見るレベルはマイナススタートです
そして社会常識を持たない『タメ口』もかなりなマイナススタートです
地位や名誉のない男ほど言葉で威圧してマウントしようとすることを我々は知っています
気をつけましょう
それが分かってもらえればみなさんお友達です
ようこそ CLUB ZEUSへ
コメントの投稿
いただきます
その前に毛をむしらないとねw